• 森林整備によって、副次的に生み出される山の恵みをおすそ分け

    先日、私は、久しぶりに雨畑ダムに行ってきた。

    その様子の変わりようにびっくりした。ダムに堆積した土砂のせいで台風被害が拡大したことは聞いていた。道が削られ、崩落し、通行止めになっていたが、それは簡単に復旧できるレベルではなかった。

    だが、驚いたのはその被害の大きさではない。当ダムの管理者である日本軽金属が住民と約束した、堆積した土砂を用いて堤防を作るという事業を急ピッチで進めていたからである。

    ここはダムの内側

    以前(サクラエビ問題以前)の雨畑ダムの土砂撤去の状況を知っている者からしたら、その重機の数に驚いた。パッとみただけで土砂を掘削する重機10台、土砂運搬車10台。よっぽど早く事業を終わらせたいのか、力と金を投入しているのが明らかであった。

    それは、早く隠したがっているようであった。何を隠したいのか?ずさんなダム管理、県道崩落の責任、濁水による下流、海への影響などなど企業倫理として色々ある。

    しかし、もっとも隠したいことは、年間100億円のダム利権であろう。以前の記事にも書いたが、日本軽金属はダムで発電した電気を、売る権利がないにも関わらず、社会的共通資本である川から得た電気を無断で再生可能エネルギーとして売り、一企業が社会から搾取しているのである。

    その利権を早く隠したいのである。

    この詐欺事件の責任は、水利権を日本軽金属に与え、監督している国土交通省にももちろんある。

    日本軽金属が早川水系に持つ、水利権の一部は2020年3月に期限を迎える。

    もし、国交相が水利権の更新を日本軽金属に与えるようなことがあれば、これは共同詐欺事件である。