雨畑ダム管理者である日本軽金属が水利権の許可条件に反して、売電していたと、静岡新聞が報じた。
日本軽金属がアルミを精錬する際に多量の電気を必要とするため、雨畑ダムを作り、国もアルミ製造を後押しする形で水利権を認めてきたことは以前の記事にも書いた。
しかし、時代が流れ、何とアルミ精錬事業から2014年3月に撤退していたのである。
では、必要なくなった電気をどうしていたかと言うと、再生可能エネルギーとして売電していたのである。これは、完全なる詐欺である。
社会的共通資本としての川を一企業が搾取し、利益をあげているのである。
ざっと試算してみると、日本軽金属が、富士川水系に持つ水力発電所4箇所の出力合計111960kw x 0.8(発電効率)x 365(日)x 24時間 x 100%(稼働率)x 12円/kwh(再生可能エネルギー買取価格)=94億1538万円/年
※放水路から海へと放出される流量75t/sをみて、最大出力の90%で発電していると推定
アルミ精錬撤退から5.75年経過しているので、現時点で541億3848万1920円
地元住民と下流域の住民が立ち上がれば、これを根拠に500億円取り戻し、雨畑ダムを破壊し、自然を取り戻すことも可能だろう。
私はサクラエビを食べたいのではない、ダムを壊したいのだ。川に自由を!
ただ、相手が財閥系企業と官僚である。年間100億円の利権でもある。
その反応の醜さを見るのもおもしろいか。
ちなみに、雨畑ダムではないが、同じ富士川水系で日本軽金属所有の波木井発電所の水利権は2020年3月で更新を迎える。