• 森林整備によって、副次的に生み出される山の恵みをおすそ分け

    著者はオーストリアの山村で生まれ、営林署で働くようになった。

    本書は世界中で賛否両論の大反響を得た、いわゆる新月伐採を世に広めたものである。

    大工の祖父から聞いた昔からの言い伝えで、正常に成長した木、適正な伐採時期、適切な乾燥方法を行うことによって製材された材は何世代にもわたって使うことができる事を改めて実証した。

    その条件は3つある。

    1.正常に成長した木とは、標高が高い場所で、アテなどがなく、ゆっくり成長した樹木のことだ。

    2.適正な伐採時期とは、冬の下弦の月から新月の期間であり、これは樹木が水を吸い上げていない時期である。

    3.適切な乾燥方法とは、伐採した後、枝葉を付けたまま半年ほど放置する。すると樹木はなんとか生きようと幹に残っている水分を吸い上げ,、新たな葉を芽吹こうとするのだ。そうする事によって、樹木は幹の水分を使い果たし乾燥機などを使って強制的に乾燥させなくても、幹は自然に乾燥される。

    この3条件を守ることによって、接着剤や防腐剤などの化学物質を使わなくとも強度が高く、腐らず、耐久性の高い材ができあがるのである。

    この方法に私が共感したのは、化学物質を使わないのでシックハウス対策になることはもちろんだが、地産地消の素材で、年月が経てばすべて土に帰るという点である。

    チューリッヒ大学にて科学的な検証も行われたとのことで、弊社でも実践してみようと考えている。

    今年の秋に弊社管理山林にて落とし板倉小屋を作る予定なので、新月伐採の材を使ってみる。

    どのような結果になるのか?伐採方法、製材方法など全ての過程をyoutubeチャンネルにて公開予定ですので、是非チャンネル登録してご覧ください。