本日のアウトサイダー文学はルイ=フェルディナン・セリーヌの『なしくずしの死』である。
以前、セリーヌの処女作を取り上げたのだが、今回は次作である。
なぜ、またセリーヌなのか?こんなに薄汚れて、知る人もなく、フランスでは国賊扱いされる作家を取り上げるなんて。私もそんな気は全くなかったのだが、その訳は、本日の山梨日日新聞の書評にルイ=フェルディナン・セリーヌの『なしくずしの死』が掲載されていたからである。これは大変な驚きである。
書評者は 藤田祥平さん。群像やユリイカで小説を発表している若手作家である。
大学時代、人生の辛い時期に恩師から勧められたという。
新聞の書評にセリーヌという組み合わせは、今後、フランスでも見る機会はないだろう。
いや、日本だからできたことであろう。藤田さんが書評を書けるポジションにいたことが素晴らしい。
私もセリーヌに人生を動かされた一人である。時代を超えて人に影響を与え続けることができる人でありたい。